高イニシャルカーボンLSD

[重要1]イニシャルトルク30~50kgmを怖がらない!

カーボンLSDの場合は、できるだけ高いイニシャルトルクをかけた方が速いし耐久性が高い。しかし、この原則が当てはまらない車もあり、例えばFD3Sのようにパワーオーバーになりやすい車は例外といえます。カーボンLSDのデフロック力はタイヤグリップよりも小さいのでイニシャルトルクを例えば30kgmにしてもアンダーステアは起きません。 これに対してメタルLSDはタイヤグリップの10倍以上の強いデフロック力が発生するので、デフロック=アンダーステアでありこれを起こさせないためにできるだけ低いイニシャルトルクが必要となります。カーボンLSDで勝利を得るためには30kgm~50kgmという大きなイニシャルトルクを怖がってはいけません。

[重要2]イニシャルトルクは速さと耐久性の特効薬!

カーボンLSDの場合は、「高いイニシャルトルク=LSDの効きが強い」ではありません。高いイニシャルトルクを設定するとアクセルレスポンスが鋭くなってデフロック力が強くなったように感じますがそれは誤りです。タイヤグリップと格闘して車の挙動を制御するためのデフロック力はイニシャルトルクの10~30倍の大きさの領域にあります。イニシャルトルクの大きさとデフロックの強さは無関係なのです。デフロックの強さにはカム角と摩擦板の摩擦力とデフケースの剛性が影響し、しかも最大デフロック力がタイヤグリップ付近までの大きさです。では、なぜイニシャルトルクを高く維持する必要があるのでしょうか。それには下記のとおり素晴らしいメリットがあるからです。
1. 車体の走行安定性が高くなる。
2. LSDのアクセルレスポンスが非常に鋭くなる。
3. タイヤグリップや挙動変化の情報伝達が非常に鋭くなる。
鋭くなる・・・・と言っても、それは1000分の1秒~100分の1秒のオーダーでありアンダースタア発生のようにドライバーがハッキリ捉えることはできません。 しかし、このような車でレースをするドライバーはアドレナリンの分泌がより高まります。(ご注意:ATSカーボンLSDに限定したお話です。)

[重要3]メタルLSDと同じ感覚でドライブしないこと!

メタルLSDと比較する必要は全くありません。その先入観こそがタイムアップの邪魔になるんです。高イニシャルトルク状態のカーボンLSDの特性を引き出すことができれば、間違いなくメタルLSDに対して圧倒的な速さを手にいれることができます。そのためには、まずメタルLSDで積み上げてきたドライビングテクニックやタブーを忘れて、真っ白な心でカーボンLSDを体験する必要があります。それほど性能は別次元のものなのです。お試しの第一歩は、フル加速中でもハンドル操作ができることを体験することです。次に、この体験をベースにコーナーをできるだけ速いスピードで脱出するためのライン取り、クリッピングポイントの見直し、加速のタイミングとハンドルによる修正をシミュレーションして実走行で試してください。ただし、これらを一気に試すと危険なので、慎重に少しずつ試してください。 もうひとつ大事なお話をしておきます。
カーボンLSDは、実はドライ路面よりもウエット路面の方がメタルLSDに対してさらに大きなアドバンテージがあります。優勝できるチャンスはウエット路面の方が高い。いつものようにスピンしないように慎重に運転していればOKです。

図解!なぜ高イニシャルカーボンLSDは速いのか?
1…究極の高性能LSD >> 説明
2…高イニシャルトルクの特徴 >> 説明
3…メタルLSDに対するアドバンテージ >> 説明
4…高イニシャルタイプのカーボンLSDのメリットを図解 >> 説明
5…高イニシャルカーボンLSDの凄さをビデオで実況! >> 動画
****カーボンLSDはアンダーステアが出ない!? 理由はこちら
ATS Carbon Technology - 世界最高峰のカーボン技術 -

究極の高性能LSD

カーボンLSDは、2001年の発売以来、イニシャルトルクを意識しないソフトなデフロック性能を特徴として販売してきました。
しかし、今回、木下みつひろドライバー発案の高イニシャルカーボンLSDの完成によって、『デフロックは鋭く強力だが、ハンドル操作は邪魔しない。』という究極の高LSD性能へと劇的な変化を遂げました。
その変化は、木下みつひろドライバーやATS自身でさえ驚きを隠せないほどの奇跡的な出来事だったのです。

高イニシャルカーボンLSDの素晴らしさは、
高イニシャルなのに加速中にハンドルが効くという点にあります。その特徴は……

1… コーナー出口の加速中に、ハンドルを切った方向に車が曲がっていく。
2… アンダーステアが発生しない。
3… トラクションが強く非常に安定する。
4… ハンドル操作の舵角が小さくなる。
5… 高イニシャルだから、鋭いアクセルレスポンスが得られる。
6… 高イニシャルだから、荒れた路面でもLSDがスリップせず車体が安定している。
7… コーナー侵入時のブレーキの効きと安定感が大幅に向上する。

メタルLSD装着車に対して大きなアドバンテージを得られる

メタルLSDではアンダーステア回避のために諦めなくてはならなかった高イニシャル化、カーボンLSDでは簡単に可能となったことと、カーボンLSD独特のトラクション性能によって、コーナリングにおては、メタルLSDよりも早くアクセル全開でき、小さく旋回できますので、メタルLSD装着車に対しては大きなアドバンテージとなります。

高イニシャルタイプのカーボンLSDのメリットを図解すると次のようになります






1. メタルLSDと同じように走ると絶対にタイムアップしない。
2. フル加速中でもハンドル操作できることを早く体感する。
3. コーナーでいかに早く加速を開始できるかを何度でも試す。
4. コーナーでいかに速い脱出スピードを得るか何度でも試す。
5. カーボンLSDにとってウエット路面は優勝の大きなチャンス。
6. イニシャルトルクの維持管理は非常に重要。
高イニシャルにすることのメリットは計り知れない!
開発ドライバー・木下みつひろによって高イニシャルトルク『カーボンLSD』の凄さを走りながら実況!ユーザーの疑問を分かり易く説明いたします。
テスト走行日時:2010年9月21日(路面…ドライ)
サーキット:中山サーキット(岡山県)
テスト車輌:ATSデモカー・S2000(AP1/カーボンLSDスペック4/イニシャルトルク20kg-m)
テストドライバー:木下みつひろ(ATS開発ドライバー)


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