特徴と性能
Metal
Carbon
Full Carbon
Hybrid
Silent
DA-PULL
Performance
Metal
- ・ ATSのメタルクラッチは、業界最大の230mmディスクと最大2200kgのカバー圧着力によって他社クラッチを圧倒する伝達性能を持っています。
- ・ 独自のクッショニングディスクを採用することで、トリプルクラッチにおいてもメタルとは思えないほど優しい半クラッチ操作が可能です。
- ・ 切れを安定させるための独創的なラセン溝付きセンタープレートを採用しています。
- ・ ペダル踏力を12kg台に軽くするSPEC2仕様を開発しました。
これら独自の仕様によって、総合性能は他社製メタルクラッチを大きくリードしています。 - ・ メタルクラッチディスクがカーボンディスクと互換性があるため、カーボンクラッチと同じ広いラインナップの中からお選びいただけます。
- ・ 伝達性能やシフト操作においてはカーボンクラッチがさらに数段高いレベルにあります。
- ・ もし、ATSメタルクラッチの性能限界付近にご希望のスペックがある場合は、安全マージンをとる上でもぜひカーボンクラッチを選択肢のひとつとしてご検討をお願いいたします。
Carbon
- ・ 冷間時に滑る他社製カーボンクラッチがあるようですが、ATSのカーボンクラッチはウォーミングアップが完了していればシングルクラッチであっても高速道路やサーキット走行で滑ることはまったくありません。
- ・ 伝達力、操作性、ミッション保護性能、シフトフィーリングの改善効果、耐久性、販売実績とどれをとってもATSのカーボンクラッチには他社クラッチには無い独自性と高い商品価値があります。さらに、適正な使い方とメンテナンスを行えばツインクラッチで30万キロ走行以上の実績もあるくらい長寿命なのでコストパフォーマンスも抜群です。
- ・ 切れ不良、滑り、長寿命を保つために注意すべき事が1つだけあります。それは、長い半クラッチは使わないことです。アイドリング付近の回転数なら1~2秒の半クラッチは問題になりませんが、2000rpm以上では半クラッチ操作は0.5秒以内でお願いします。
- ・ スタートで長い半クラッチを使うドラッグレース、長い半クラッチや半クラッチを短時間に繰り返すこと(この操作をドリフトではクラッチを揉むと表現しています)が前提となる場合にカーボンクラッチを使うことは避けてください。すぐに滑りや切れ不良といった不具合を起こします。
- ・ 長い半クラッチや短時間で半クラッチを繰り返すような操作をするとカーボンディスがすぐに1000℃以上に加熱され、カーボンと接しているスチール製部品(フライ、センタープレート、プレッシャープレート)を瞬時に歪ませてしまいます。
歪んだスチール部品と歪まないカーボンディスクが接触すると円周状の線接触となり伝達力が著しく低下し滑りや切れ不良の原因となります。こんな場合でも、滑らない範囲で使い続けるとカーボンディスクが偏摩耗することで面接触となって正常な伝達力を取り戻すことも多々あります。しかし、その場合は偏摩耗によるカーボンディスクの寿命短縮とカバー圧着力の早期低下の可能性があります。
Full Carbon
- ・ フルカーボンクラッチは、カーボンプレートと鉄プレートを摩擦させる従来のカーボンクラッチの唯一の弱点であった半クラッチの多用によるヒズミの発生を完全に解消したことが最大の特徴です。さらに従来比2倍以上の伝達力と驚異的な耐摩耗性を備えており過酷な用途にも良好なコストパフォーマンスを確保しつつ耐えることができます。
- 15年間に及ぶテストの結果として、強力な伝達力に耐えるために従来タイプのカーボンクラッチに比べて各部を数倍強化しています。さらにドラッグレース仕様のトリプルクラッチでは、センタープレートを1ヶ所2枚合わせとして合計4枚内蔵することで強烈なエンジントルクとドラッグスリックタイヤからの反動に対処しています。
- ・ スタートで長い半クラッチを使うドラッグレース、長い半クラッチや半クラッチを短時間に繰り返すような使い方でも切れ不良や早期摩耗は起きませんので安心してお使いください。ただし、クラッチが異常に加熱されると周辺部品が熱害により破壊される可能性がありますので、加熱操作は最小限にしてください。
- ・ フルカーボンクラッチは、当面受注生産とします。従いまして納期は、ご注文後4~6か月となります(在庫部品があればもっと短納期となることがあります)。また、対象車種は、設計情報が社内にあってマッチング確認が不要な従来のクラッチの適合車種に限定します。受注するクラッチの種類は、ドラッグレース用としては、現時点で十分な強度的検証ができているトリプルクラッチ(構造的にはこのページに掲載した写真のとおりです)のみとします。周回レース/タイムアタック/ジムカーナ/ダートトライアル用としては、 このページに掲載しているツインおよびシングルクラッチを受注対象とします(写真のシングルは、カーボンプレートの買い足しでツインへアップグレードすることが可能な構造となっています)。
- ・ 小売価格(税別) トリプル(ドラッグ用)1,111,000円 ツイン(ドラッグ用)781,000円 ツイン(周回用)704,000円 シングル(ドラッグ周回兼用)561,000円 (20191227 変更)
ST-ROWDY-DRAG FD3S
JG1-PRS-Ohashi GC8
FULL CARBON PULL TWIN CLUTCH
FULL CARBON PUSH CLUTCH
Hybrid
- ・ マルチプレートクラッチのフリクションディスクに、メタルとカーボンを混在させたものをハイブリッドと言います。
- ・ メタルディスクとカーボンディスクに互換性を持たせることでこのようなことが可能となりました。
- ・ ハイブリッド化によってメタルクラッチとカーボンクラッチの中間的な性能となります。
- ・ ハイブリッドのマルチプレートクラッチにおいて、半クラッチ性能はプレッシャープレートと接触させる摩擦材の性質がより多く反映されます。
- ・ カーボンクラッチに対してハイブリッドクラッチの価格は大きく下がります。例えば、カーボントリプルクラッチにおいてメタルディスク1枚とカーボンディスク1枚を差し換えれば、そのカーボントリプルクラッチの小売価格が55,000円下がり、メタルディスク2枚とカーボンディスク2枚を差し換えると小売価格が110,000円下がります。(2022年6月現在の価格)
Silent
- ・ 歯打ち音を消すサイレントクラッチ。純正ではデュアルマスフライとセットで使われていることが多いゲトラグミッションに一般的なシングルマスのクラッチを装着すると歯打ち音(ニュートラルでクラッチペダルを離したときに発生している騒音)が発生します。これを解消するためのクラッチがサイレントクラッチです。
- ・ サイレントクラッチは純正のデュアルマス式フライホイールを流用して歯打ち音をほぼ完全に消します。しかし、このデュアルマスフライも経年劣化すると発進時にキュッと異音を発するのでできるだけ新品をお使いください。
純正のデュアルマスフライホイールはセットに含まれていません - ・ サイレントクラッチは、このデュアルマスフライが装備されている国産車の一部車種(BNR34,S15,Z33/34,JZA80)用としてのみラインナップしています。歯打ち音は、これらの車両以外でも発生しますが、対策としてはブレードクラッチ、重量フライホイール付きなどの重めのクラッチを選択する。音消し効果のあるミッションオイル(ATSの75W140 GL5 ゲトラグミッション用オイルなど)を使うことなどが挙げられます。
- ・ シャラシャラ音を消したい場合ですが、サイレントクラッチはフライホイールが重くなる分だけ少し効果があります。この音はラグタイプのクラッチ(プレッシャープレートあるいはセンタープレートが外爪タイプでそれがケーシングと噛みあっているクラッチ)に発生します。ブレードシングルクラッチ、カーボン(メタル)シングルクラッチは、ラグタイプではないのでシャラシャラ音は発生しません。
- ・ 騒音の原因には、クラッチ以外にもエンジン振動、エンジン強化マウント、ミッション強化マウント、ミッションオイル、ミッションそのものの老化などがありますので、騒音が十分に解消しない場合はこれらの影響も調査して対策する必要があります。
DA-PULL
- ・ 従来の強化タイプのプルクラッチはペダルが重い、切れ位置が手前過ぎる、発進操作でエンストしやすいという欠点がありました。
これらを完璧に解決するため、図のようにダイヤフラムスプリングのアーム部に長短をつけて、それを段差のついたダブルアクションプレートで操作する方法を採用しました。(国内外特許出願中)
これにより、クラッチペダルを操作すると「ゆっくり半クラッチ操作する」段階と「クラッチを完全に切る」段階の2段階の動きをレリーズが自動的・連続的に行うため、驚くほどにエンストしにくく切れも抜群です。この性能をに非常に軽い(車両により10~13kg)のペダル操作力で実現しています。
このクラッチは純正クラッチと互換性があり、作動変換部品は不要です。
適用車種はこのページに記載されたものに限定されます。
このクラッチに装備されているATSが独自に開発した強化型ウエッジカラーの脱着方法は純正品と同じですが、よりスムーズにで脱着するための「コツ」を下記のURLでお確かめください。 -
■カラーを脱着する。※1
Insert and remove the collar into the diaphragm.
https://youtu.be/87a3AKEvgcc -
■ベアリングをクラッチに連結する。※1
Connect the bearing to the clutch
https://youtu.be/zx92bEJdVc8 -
■クラッチからベアリングを解除する。※1
Release the bearing from the clutch
https://youtu.be/K10l0Vd3swM
PAT.No. JP 6514411, US 10746232, CZ ZL 201780053612.9