特徴と性能
Metal LSD
STD & Deftforce
Silent LSD
Carbon LSD
SPEC1~5
Carbon Hybrid
STD & Deftforce
- メタルLSDは鋭く強力なデフロック性能があり、加速旋回時にオーバーステアが発生しないFF車にとっては非常に有効です。
しかし、FR車に対してはコーナー出口でのオーバーステア対策(車のセッティングとドライビングによる対策)が必要となります。
一方、コーナー入口でのアンダーステア対策は、1wayや1.5wayカムを選択することによって、ある程度までは解消できます。 - カーボンLSDと比べると、タイム短縮や異音発生という面では劣るものの、ラフな油温管理に耐える点が利点となります。
異音発生を避けるために、LSDオイルの選定には注意が必要です。 - 標準モデルは、FF,FR,4WD車用ともにデフロック力を最大に高めたタイプR仕様であり、FR車用はさらにイニシャルトルクを上げたドリフト用のDeftforce(デフトフォース)仕様を標準としています。
騒音の少ないLSDをご希望の場合は、サイレントLSDを選択してください。
φ87系には厚みの違う2種類のクラッチプレートがあるため、車種によってプレート内蔵枚数が16・20・24枚の仕様があります。

Silent LSD
- サイレントLSDは、異音を大幅に抑えた新型クラッチプレートの採用に加えて、異音防止と高いロック性能を確実に達成するため、カムリングに45度と55度または60度のカム角を造形。
標準仕様は、デフロックの起動が遅くなる45度のカムを使い、デフロック力を下げるようクラッチプレートを組み込んでいます。
このため約20kmの慣らし走行で異音が消えます。 - ロック性能を高める場合には分解してカム角を45度から55(60)度に変更し、さらにクラッチプレートの配置を変更する事で、メタルLSDタイプRと同等のデフロック性能を実現できます。
- サイレントLSDとは言え、LSDオイルの選定を誤ると異音が発生するので注意が必要です。
- ご注文の際に、特にご指示が無い限りもっとも異音が発生しにくい仕様で出荷いたします。
- φ74系メタルLSDは標準がサイレントLSDですので、レース用にご注文の際は「最強仕様」と指定してくだい。

SPEC1~5
- 下図に示すSPEC1~SPEC5の販売を中止します。(補修部品やオーバーホールのご注文には応じます。)
- 今後は、Carbon LSDと言えばCarbon Hybridを指すことになります。
- 30~70kgmと、ますます高イニシャルトルク化していくCarbon LSDにおいて、Carbon Hybridは従来のラインナップの中でカーボンチップの耐摩耗性という点で最も耐久性があり、性能面・操作フィーリングにおいてもFull Carbon タイプと何ら遜色はありません。
- Carbon Hybridは、国内のスーパー耐久24時間レースに2018,2019年と2年連続で優勝するなどその実績は十分です。
- Carbon Hybridタイプの小売価格は、従来のCarbon LSDのSPEC1と同じとします。

Carbon Hybrid
- カーボンハイブリッドLSDは、カーボンプレートの中にメタルプレートを適正に配置させることで、カーボンチップの摩耗を抑えイニシャルトルクの低下を抑制したLSDです。
ご注意:イニシャルトルクの低下を止めることはできません。イニシャルトルクは3〜4回の調整を繰り返すことによって低下スピードを小さくすることが可能です。 - 過去5年間の国内外での使用実績は、カーボンハイブリッドLSDの性能や操作フィーリングはフルカーボンLSDと差がなく耐久性のみが向上することを示しています。
- イニシャルトルクの低下を遅らせることでLSDのロック性能の変化を抑えるので、各部のセッティングの精度が上がりドライビングの習熟も早めます。
- カムリングに接触しているプレートの消耗が早いので、ハイブリッド化ではこのカーボンプレート2枚をメタルプレートに置き換えます。
- メタルプレートとカーボンプレートは、十字軸に対して左右対称となるように配置します。
- メタルプレートとカーボンプレートには厚みの差がありますので、この差をスペーサやサラバネの厚さ変更で調整します。
- イニシャルトルクは、ATSが得た経験と実績に基づき30~70Kgmの範囲で調整します。

1 デフケースA
2 ワッシャ
3 サラバネ
4 クラッチプレートA
5 クラッチプレートB
6 カムリングA
7 カムリングB
8 デフケースB
