→ 理想的なオイル潤滑を実現
従来の外爪プレートの放射状オイル溝を廃止し、歪みのない研磨プレートと同心円状の溝をプレート中心から数ミリ偏心させて刻んだ内爪プレートを組み合わせたオイルスロースルータイプ・S型プレート
(※1)を採用。
遠心力で内から外へ溝を伝ってゆっくりオイルを移動させ、ロック性能の高いLSDに極めて理想的な潤滑をもたらします。
※1…オイルスロースルータイプ・S型プレートはメタルLSDサイレントタイプにも採用されています。
→ 冷間/温間時のロック性能を改善
同心円溝により摩擦面上にオイルを適度に保持することで、これまで不安材料であった冷間時と温間時でのロック性能の差をミニマムに抑えることに成功しました。
→ ワイパー効果の弊害とは、
ブレーキローターの場合、ローターにスリットを設けるとブレーキ性能が格段に高まり、ローターの冷却効果が増します。これは、加熱されたパッドダストの排出を加速して放熱させるとともに、ローターおよびパッド表面の汚れを落としリフレッシュするためです。油中で作動しているLSDでは、摩擦表面温度も低く、ダストも少ないため、ワイパー効果は油膜を剥離するリスクを増加させます。また、摩擦面付近の油温が車速や差動回転の変化に連動して大きく変化するので、それによって摩擦係数(ロック性能)も微妙に変化することになります。このような現象は、LSD性能に対するワイパー効果の弊害であり、ロック性能が高いLSDの場合、オイルはスロースルーが理想と考えています。